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近年、1回のデートに使う金額はバブル時より遥かに少ないと推測できる。
クリスマスのギフト消費も振るわず、いまや「母の日」の市場規模(5千億円)より劣る(4千億円)のが現状だ。もはや、バブル期までの「恋愛消費」のロジックでは、モノが売れないのだ。
崩れ去った「幻想」と「外圧」では逆に、バブル期はなぜ男女ともあれほど、恋愛や消費に熱心だったのか?
「当時はまだ、恋愛にも消費にも、ある種社会的な″幻想″や″同調圧力″が機能し得たのでは」と話すのは、前出のY田五郎氏。
Y田氏が「バブル期に、若者の間で爆発的に売れたモノの一例」として「Be‐1」(日産自動車)を挙げてくれた。現40〜50代の男女なら、当時を思い出して「そういえばあった、あった」と思わず膝を打つに違いない。
限定1万台が2か月で予約完了するほど話題を呼び、同じデザインで統一した服やバッグまでが飛ぶように売れ、「Be‐1効果」なる流行語まで生まれた。山田氏が『Hot‐Dog PRESS』の編集部にいた時代、写真撮影のために借りようと思ってもなかなか借りられなかったほどだ。
「でもいま思えば、なぜあれほど売れたのかよく分からない。バブル期に流行ったモノでいまも欲しいなと思うようなモノは、めったにないでしょう」(Y田氏)確かにそうだ。これまでに日本の全国民が「なにコレ!‥」と大きな衝撃を受け、誰もが欲しいと強く望んだモノ、その最高峰は間違いなく″テレビ″だろう。
大人達は50年代、まだ自分では買えないテレビを「ひと目見てみたい」と、こぞって街頭テレビに群がり、「いつかは手に入れるぞ」と目を輝かせた。幻想や外圧とはまったく関係なく、誰もがただテレビという実体を欲したのだ。
でもそれ以降、テレビに匹敵するほど衝撃的な商品は世に出ていない。95年以降のパソコン(ネット)やケータイの普及も、確かに人々の生活を大きく変えはした。
でも昭和のテレビほど「どんなことをしても手に入れたい」という憧れではなかった。ではなぜバブル期には、あんな短命の商品が爆発的に売れたのか?
それは「○○を買えばいいことがあるかも」という幻想と、「え?まだ○○持ってないの?」といった同調圧力が機能していたからでは、とY田氏。
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